私たちは、事業主が持つ可能性のある負債に関するアドバイスを提供することや、ビジネスライフサイクルのあらゆる段階で必要な情報を提供することを専門としています。当社は、顧客に商業および企業法サービスを提供してきた長年の経験を持っています。商取引では、的確なアドバイスを提供し、成功への導きの法的文書の作成等クライアントの立場に立っています。当社の弁護士は、企業ガバナンスと規制サービスの様々な範囲だけでなく、競争&消費者法のアドバイスをクライアントに提供します。

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商取引及び会社法

セール品の返品 – 消費者保護法

Q:先日、衣料品店でセールをやっていたので、ジーンズを一本買ったところ、2回履いただけでジッパーの部分が壊れて履けなくなってしまいました。店に返品しに行ったところ、「セール品ですので返品は受け付けません」と言われ、なんだか騙されたような思いです。法的にどうにかできないのでしょうか? A:オーストラリアでは、消費者保護法(Australian Consumer Law、以下「ACL」)により、消費者には様々な権利が保証されています。ちなみにACLの適用範囲は大変広範囲にわたり、商品だけでなく、サービスにも適用され得ます。ACLの第54条は、その商品が妥当に「安全で、耐久性をそなえ、瑕疵なく、外見にも問題なく、通常の用途にかなうものである」という、いわば法律上の品質保証を定めています。今回のケースについて言えば、2度着用しただけで壊れるような衣類は少なくとも「妥当な耐久性」があるとは言えないでしょうから、店はこのジーンズにつき、返金、交換、または修理をする義務があると判断します。 ACLの第54条では、その商品につき、一般的な用途、価格、表示等が考慮され、その商品の「妥当な品質」の保証の度合いが判断されます。例えば、5ドルのTシャツの場合は、50ドルのTシャツの場合にくらべ、保証される「妥当な品質」の度合いは当然低くなります。つまり、5ドルのTシャツを数回洗濯して色落ちしても、恐らく消費者保証のクレームはできないでしょう。冷蔵庫などの白物家電が1年の通常使用後に壊れた場合には「妥当な耐久性」がないと考えられるでしょう。よく家電等の商品には、決められた期間(例えば1年)のメーカー保証がついてきます。しかしながら、たとえこのメーカー保証期間が切れたとしても、上記第54条が適用されるのであれば、消費者の商品の欠陥に対する権利は継続します。ちなみに、メーカー保証書の中には「このメーカー保証は消費者のACL上の権利を制限するものではない」と記載することが義務付けられています。 また、購入した商品が「セール品」や、中古品、ネットショッピングで購入したものであったとしても、保証の度合いに差はあるでしょうが、原則的に第54条は適用されます。ACLの消費者保証が適用されないケースの例としては、レシートなどの提示ができず、その店から購入した証明ができない、個人間(ガレージセール等)またはオークションで購入した、普通でない使い方をした、また、品質に何ら問題はなく「購入後に気が変わった」という理由だけで返品しようとする場合などがあります。 今回のようなケースで、店がジーンズの返品等に応じてくれない場合には、店のマネージャに「Australian Competition and Consumer Commissionや、Fair Trading等の機関に相談する」と、まずは伝えてみることをお勧めします。それでも応じてくれないようであれば、実際にこれらの機関に連絡すると良いと思います。  


商取引及び会社法

カードローン ― 自己破産を避けるには

Q: 去年リストラされました。それ以来収入はほとんどなく、カード・ローンが3万ドル近くまで膨れ上がってしまいました。到底返済できる状況ではありません。その取立てが厳しいので、知り合いに相談したところ、いっそのこと自己破産してはどうかと言われました。どうすれば良いでしょうか? (30代無職=男性)   A: 確かに自己破産をすることにより債務者は債権者から法的に解放され、人生を再スタート出来ることになります。しかし、世の中はそれほど甘くはありません。一度自己破産をしてしまうと社会的信用を失うことになり、将来的に大変な「足かせ」となる可能性があります。 例えば、新たなクレジットカードを作りにくくなったり、銀行からの融資を受けるのが難しくなったりします。また、就ける仕事が制限されたり、破産宣告中、海外渡航をするためには管財人から事前の許可が必要になったりします。ですから自己破産はそう簡単にするべきものではありません。   しかしながら、債権者と話し合いをする上で「自己破産」は大変頼りになる切り札です。というのも、債権者の最大の関心事は借金をいかに返済してもらうかであり、あなたを自己破産させることではないからです。もしあなたが自己破産をした場合、清算人の費用などを考慮すると、カード会社はおそらく1ドルも回収することができないでしょう。従って、カード会社にとってあなたを自己破産させることは全く得策ではないのです。   では、あなたが今持っている資産を全て売却し返済に充てれば、残りの債権は全て放棄してくれるかと言えば、そう簡単にはいきません。カード会社と和解するためには、うまく交渉をする必要があります。まず必要なのは、あなたの全財産を開示し、かつ収入がほとんどない旨をカード会社に信用してもらう必要があります。そのためには、あなたの誠実な態度及び反省が必要です。また、あなたがなぜこのような状況に陥ったかの経緯(リストラされた事など)及びカードでどのような買い物をしたのかも重要になるでしょう。例えば、そのほとんどが生活必需品であれば、カード会社から同情を得られるかもしれません。   私の経験から最も有効だと思われるのは、カード会社に対し「もし残額を放棄してくれるのであれば、父親や親戚から多少まとまった額(例えば1万ドル)を借りられ、これを返済に充当できる」というようなことを、オファーすることです。そうすれば和解の可能性も出てきます。   なお、各カード会社及び銀行は、問題のあった顧客に関する情報を共有している可能性もありますので、過去に他の金融機関と同じような問題があった場合は、破産させられることも考えられます。いずれにせよ、カード会社との交渉に当たっては、できれば専門家の助言を受けるのが良いと思います。


商取引及び会社法

債務回収

「イーストウッドに住むAが友人のBに8,000ドルの金額を貸し出し、Bは8ヶ月間毎月月額1,000ドルを返済すると共に最終の月には400ドルの利息を支払う約束をした。しかし、Bは5ヶ月間も全く返済しておらず、最終的にはAの連絡を無視し始めました。この様な状況でAは債務回収のためにBに対して裁判所の訴訟を起こしたいと考えています。   1. コミュニティ司法センターを通じた調停  法的手続きを開始する前に、当事者は地元のコミュニティ司法センターが提供する調停サービスを通じて問題を解決することをお勧めします。この調停手続きは、互いの立場を確かめるためにも紛争当事者にとって有益であります。コミュニティ司法センターでの調停の利点の1つは、弁護士による法的支援を必要としないことです。調停手続きは一般的に2時間かかりますが無料です。AとBが調停を通じて和解文書を実行し、裁判所に登録した場合、そのような文書は法的拘束力があります。調停手続きを通じた和解は、当事者が法的手続きに時間と費用を費やす必要がないという意味で特に効率的です。一般的に、紛争の約80%がこの段階で解決することが知られています。詳細については、1800-990-777までお問い合わせください。   2. 返済要求の手紙  当事者が調停で合意に達することができない場合、A は B に返済要求の手紙を送付することができます。その手紙には、負債の金額と期日を記載し、Bが期日までに債務を返済しない場合、Aは裁判所に苦情を提出することによって裁判所の訴訟を開始すると言う旨を記載します。例えば、Aは「2018年4月30日までに8,400ドルを返済することをここに要求します。もし期日までに返済しないと法的手続きを開始します(I hereby demand that you repay me $8,400 by 30 April 2018. Otherwise, I will commence legal proceedings against you to recover the debt without further notice)。その法的手続きに伴う費用と返済完了までの利息を請求すると内容を手紙に含めると良いでしょう。裁判所郵便でBの住所に手紙を送るだけでもいいのですが、手紙を出すと同時にメールやファクシミリを送ることはさらに効果的です。   3. 裁判 Bが要求された期日までに債務を返済しない場合、Aは債務額が10,000ドル未満であることを考慮し、地方裁判所の小額請求部門で裁判の手続きを開始することができます。小額請求部門に請求を申し立てる利点の1つは、証拠第一の規則が適用されず、裁判は司法委員会よりも迅速かつ簡単に行われるということです。そして英語の駆使に問題がなければ弁護士を任命することなく請求者を自己代表化することができます。債務額が10,000ドルを超える場合、請求者は地方裁判所の一般部門に訴訟を起こすべきであり、75万ドルを超える場合は最高裁判所に訴訟を起こすことになります。小規模請求部門でない訴訟では、事実の争いの複雑さと紛争の潜在的な要素が多数であるため、弁護士を任命することが一般的です。この場合、請求者は、債務消滅時効即ち債務回収の制限期間は債務発生日から6年であることを留意すべきであります。 6年が経過した場合、請求者は債務者に対する債務回収のための裁判所の訴訟を起こすことができない可能性があり   4. 民事訴状 Aは請求対象、請求趣旨、請求原因に関する陳述を記載した訴状 Statement of Claimを地方裁判所登記部(Local Court Registry)に手数料99ドルと共に提出する ことで公式の裁判所手続きが開始されます。請求者は請求訴状手数料と法的利息をも含む手続きのために発生した他の管理手数料を要求することもできます。また、弁護士が裁判所の手続きで請求者を代表する場合、Aはその費用の請求することもできます。請求訴状はオリジナル1部コピー2部を提出しますが裁判所はオリジナルに登録済みのシールを押し事件番号が付与されます。オリジナルは裁判所が保管しコピー2部は返却されます。Aは返却された事件番号と裁判所のシールの押されたコピー1部を直ちにBへ法定郵便又は直接人便で6か月以内に送達せねばなりません。送達の最も推奨されるの裁判所による郵便です。裁判所の郵便サービスを利用する場合、Aは請求訴状の提出際に申請することができ、サービスの申請料は現在のところ$42であり、この金額も訴状に含めることて請求できる金額です。   5. 無弁論判決(Default Judgment)  Bは、訴状のコピーを受け取ってから28日以内に裁判所に答返書(Defence)を提出しなければなりません。B が答弁書提出に失敗した場合、A は無弁論判決(デフォルト判決)を申請することができます。デフォルト判決は、裁判所が一方的に審理なしで被告に対して判決を下すもので有り、この判決は、負債、法的費用および利益の金額を含む最終的な費用で結論付けます。デフォルト判決を申請する場合、Aは、訴状が裁判所に直接または郵便でBに適切に提供されていることを証明するサービスの宣誓供述書(Affidavit of Service)と、清算された請求に対する動議不履行判決の通知の両方を裁判所に提出する必要があります。


商取引及び会社法

プレナップ契約 - 離婚時の財産分配について取りかわす事前契約

Q: 10歳以上年上のオーストラリア人の恋人との間に結婚話が出ています。彼には経済力があり、持ち家やある程度の財産があります。彼から結婚の条件として、「離婚するような事になった場合に備えて、婚姻財産の分配について予め決めておくための契約書にサインして欲しい」と言われています。前妻と離婚した際、財産分与で相当もめたので、二度と同じような思いはしたくないそうです。この書類はどういうもので、どんな効果があるのでしょうか?   A:  この書類は、一般的に“プレナップ契約”(Prenuptial Agreementの略)と言われている、Family Law ActのPART VIIIAに定められている、Financial Agreementという契約書です。その主たる目的は、結婚をしようとしているカップルが事前に、将来もしも離婚する事になった際に、どのように財産を分配するかについて取り決めをするものです。例えば、もし結婚する時点で一方が既に家を持っていたり、親から譲り受けた家宝のような高価な美術品等があるような場合、「その家や美術品は離婚の際に婚姻財産とはせず、分配の対象外となる」といった事前合意です。Financial Agreementは、婚姻財産の分配についてだけでなく、扶養費や子供の養育費についても定める事ができます。但し、子供の養育費については、基本的には子供の権利であり、その妥当性につき争われる可能性が非常に高く、一般的にはFinancial Agreementの対象とはしません。尚、Financial Agreementは婚前だけでなく、婚姻期間中及び離婚後にも締結することが出来ます。   理想的には、Financial Agreementを結ぶことにより、離婚の際に争うことなく(無駄な法務費用や労力を費やすことなく)離婚をスムーズに成立させられるという事です。   しかし注意したいのは、結婚前の時点ではそのFinancial Agreementがフェアな取り決めだと思われても、将来的にそれがアンフェアな取り決めになってしまう可能性があるという事です。例えば、結婚前は「婚姻財産は50/50で分配する。婚前に所有していた不動産は婚姻財産に含まない」という一見フェアな取り決めであっても、例えば10年後、子供が生まれていたり、長い間専業主婦をしていた結果、いい仕事に就けないような状況下では、果たして上述の条件で納得できるでしょうか?この点、Family Law Actは、状況の変化によりFinancial Agreementがもたらす効果があまりにもアンフェアと判断される場合も含み、Financial Agreementを無効にできる条件がいくつももうけられています。   Financial Agreementの有効性を確保するためには、持っている資産の詳細等、重要と思われる全ての情報をお互いに開示する必要があります。また、Financial Agreementを締結する事の長所と短所、その効果、そして当事者らの権利についてアドバイスをした旨を記した証明書を、当事者それぞれ別の弁護士から取得する必要があります(同法第90G条(1)(b)項)。