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礼子・レノルズ

特別顧問

reiko.reynolds@hhlaw.com.au

礼子・レイノルズ弁護士は2004年に弁護士資格を取得して以来、主に不動産取引分野に従事し、様々な所有権形態の不動産売買からオフィス、倉庫等の賃貸契約に携わって来た。土地開発会社を含む様々な企業及び個人に対し、その目的と状況に最も適した実務的なアドバイスを提供して来た豊富な経験がある。 弁護士になる前から政府および関連機関、民間の大手建設会社等を顧客に持つ法律事務所でパラリーガルとして勤務していた。 H & H Lawyers入社後は、居住用、投資用及び商業用不動産の売買を主に担当しており、長年にわたり培ってきた知識と経験、優れたコミュニケーション能力により、クライアントに高く評価されている。

取り扱い分野

主な 職歴・実績

  • オフィスビルを含む商業用不動産の売買、借地権の売買、オプション契約、ストラタスキーム共同住宅の一括販売、住宅ローン及びローン契約、ビジネス売買に関する企業及び個人への法務

  • オフィスリース、商業用リース、店舗リース等に関する企業及び個人に対する法務

  • NSW州、VIC州、QLD州、ACT州における不動産取引に関する法務

  • 遺言書作成・不動産に関する相続・管理、委任状及び成人後見人制度に関するアドバイス・支援

  • 酒類販売許可取得・譲渡に関する法務

  • 家族法:離婚、婚姻財産分与・親権に関する法務


学歴

  • Graduate Diploma in Legal Practice - College of Law

  • Property Practice (Real Estate: Sales / Property Management), UNE Partnerships

  • Bachelor of Laws (Hons), University of New England

  • Associate Degree in Arts/Music (Hons), Glendale College, USA

  • 早稲田大学・文学部(中退)


メンバーシップ

  • The Law Society of NSW

  • Australia Japan Businesswomen's Network

  • Women Lawyers Association of NSW

  • Waseda University Alumni Association (Tomonkai)

取り扱い分野


資格

  • Lawyer, Supreme Court of NSW


言語

  • English

  • Japanese

コラム

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紛争解決・訴訟, 税法, 労働法

雇用か請負か?今こそ「シャム・コントラクト(偽装請負)」の見直しを

ここ数年、従業員として雇うべき人にABNを取らせ、コントラクター契約で働かせるというケースが問題になっています。 一見するとコスト削減のように見えても、実態が雇用関係に近い場合は「偽装請負(Sham Contract)」とみなされ、Fair WorkやATO(税務当局)からの調査・制裁対象となります。 見直しが必要な理由 • 2024年8月26日施行の法改正で「雇用」の定義が変更され、契約書の文言よりも実際の働き方(実態)で従業員かコントラクターかが判断されるようになりました。 • 2025年1月から「意図的な賃金不払い」が刑事罰の対象になりました。 • 誤った契約形態が発覚すると、未払い賃金・Superの遡及支払いに加え、高額の罰金(個人$19,800/小規模事業$99,000/15名超事業$495,000)が科されるおそれがあり、経営上のリスクが一段と高まっています。 雇用と請負の基本的な違い 従業員と独立請負人の本質的な違いは次のとおりです。 • 従業員:貴社の事業に従事し、貴社の一員として業務を遂行します。 • コントラクター:貴社にサービスを提供しますが、自己の事業の発展のために業務を遂行します。 以下の表に照らし合わせ、自身の勤務体系がコントラクターではないと思う方はFair Workに調査を依頼すべきです。 判断要素 従業員 コントラクター 指揮命令(Control) 事業主が仕事の進め方・時間・場所を指示できる。 自分で方法、場所、 時間を決める。 業務の一体性 事業主の業務の一部として働く。 自分の事業のために業務を行う。 報酬形態 時給・日給・出来高・作業単価・コミッション 成果や契約単位で成果完了時に支払われる。(定額報酬が多い。) 再委任・代行の可否 労働者本人が業務を遂行し、他者に代行させることはできない。 契約に再委託・代行を認める条項がある。 機具・工具の提供 事業主が業務に必要な機具・工具全部または大部分を提供する、(労働者が大半を用意しても、事業主が手当や実費償還を行う。) 労働者が必要な機器・工具全部または大部分を自ら提供する。 リスク負担 労働者のリスクは低いか皆無・事業主が商業上のリスク(傷害や瑕疵に伴う費用)を負う。 労働者が商業上のリスクを負う。 営業上の信用(Goodwill) 労働者の業務から生じる信用・のれんは事業主に帰属する。 信用・のれんは労働者側の事業に帰属する。 一部の独立請負人にも生じ得るスーパー支払義務 一定の状況では、コントラクターであっても、年金(superannuation)の規定上従業員とみなされ、貴社にスーパー(Superannuation)の支払義務が生じます。例えば、労働者が次のいずれかに該当する場合です。 • 契約が全面的または主として労務の提供を目的としている。(例:現場作業員・ドライバー・介護スタッフなど)では、ABNを持っていてもSuper支払い義務が発生することがあります。) • 家事的性質の業務を週30時間超行っている。 • スポーツ選手・芸術家・エンターテイナーで、音楽、演劇、舞踊、エンタメ、スポーツ、展示、販促その他類似の活動の出演・実演・参加の対価として報酬が支払われる。 • 上記の活動への出演・実演・参加に関連するサービスの提供対価として報酬が支払われる。 • 映画・テープ・ディスク・テレビ/ラジオ放送の制作に関連するサービスの提供対価として報酬が支払われる。 経営者が負うリスク • ATOペナルティ:PAYG未納・Super未払い・利息・事務手数料 • Super Guarantee Charge(SGC):不足額+利息+手数料に加え、最大200%の追加罰金 • Fair Work違反:偽装請負(Sham Contract)で1件あたり最大$495,000の民事罰 • 刑事罰(2025年1月〜):意図的な賃金不払い 経営者がすべきこと 1. 全従業者の契約形態を精査する  → 「実態は従業員ではないか?」を確認 2. Super(年金)やPAYGの支払い状況をチェック  → 未払いがあれば早めに是正 3. Fair Work・ATOのガイドラインを参照  → 「Employee or Contractor Decision Tool」で判断可 4. 必要に応じて契約を従業員契約に切替 「コントラクターだから安心」と思っていても、実態が雇用であれば法的責任は免れません。正しい契約形態を維持することは、会社の信頼と持続的経営のための基本です。今一度、自社の契約実務を見直してみてください。

27 Nov 2025


個人のお客様

オーストラリアの家族法における家庭内暴力(DV)の定義と立証に必要な証拠

オーストラリアの家族法における家庭内暴力(DV)の定義と立証に必要な証拠 最近の法改正により、裁判所は財産分与を判断する際にDVの経済的影響等を必ず考慮することが明文化されました。以下、Family Law ActにおけるDVの定義に基づき、万一離婚に至った場合に婚姻財産分与で不利にならないために控えるべき行動例と、被害者側が収集すべき証拠に関して整理します。 A. 不利にならないために「控えるべき行動」 ※いずれもDVとして評価され得る行為、または財産分与段階で強く不利に働き得る典型的行為です。(Family Law Act 1975 – Section 4AB) 経済的・金銭的コントロール:配偶者の口座や資産・年金(superannuation)を一方的に支配/アクセス遮断、生活費の不合理な不払い、配偶者名義での無断借入・債務積み上げ、就労の妨害(職場への連絡、出勤阻止等)。 孤立化や監視:家族・友人・文化的つながりを断たせる、位置情報追跡や常時監視。 暴力・侮辱的な嘲り・罵倒・脅迫・破損行為:身体的・性的暴力、脅迫、物損、ペットへの危害。 資産の隠匿・散逸:離婚や別居を見越した不透明な資産移転、浪費、価値の恣意的な毀損(「請求を害する取引」とみなされるリスク)。 命令違反:DVO/AVO等の保護命令や裁判所の中間命令に反する接触・干渉。 強硬な単独実行:住居の施錠変更や重要契約の解約等を相手の同意・正当手続きなく強行。 子の面前での暴力・暴言行為 B.被害者が「収集すべき証拠」 1) 暴力・脅迫関係 警察のイベント番号、起訴・命令(AVO/DVO)写し、医療記録・診断書、負傷写真、救急やGPの受診歴。 2) 経済的虐待の立証(法改正で重視) 銀行明細(不合理な差し止め・一方的送金・無断借入の痕跡)。 給与明細・勤怠・上司への妨害連絡の記録(就労妨害・減収の証跡)。 生活費不払い・家計負担の偏在を示すメッセージ/メール、各種請求書。 住居移転費・鍵交換費・カウンセリング費・医療費など被害対応コストの領収書。 3) コントロール・孤立化 家族・友人との連絡遮断の指示や脅しが分かるSMS/チャット履歴。 4) 子の前での暴力 子の前での暴力・脅迫や、破損物片付け強要等(以下のような出来事)の具体的事実、学校・カウンセラーの記録。 (a) 子の家族の一員が他の家族の一員に対して死亡又は身体傷害の脅迫を行うのを、子が聞くこと(b) 子の家族の一員が他の家族の一員から暴行を受ける場面を、子が見る又は聞くこと(c) 他の家族の一員から暴行を受けた家族の一員を、子が慰め、又は介助すること(d) 家族の一員が他の家族の一員の財産を故意に損壊した後、その現場の片付けを子が行うこと(e) 家族の一員が他の家族の一員から暴行を受ける事案に警察官又は救急隊員が出動した際、子がその場に居合わせること 5) DVの影響により家族への貢献が困難化/減殺されたことの立証 DVにより家事・育児・就労・資産形成への貢献が実質的に困難化した具体的事情の時系列メモと裏付け資料。 DVを受けている場合 家庭内暴力 (DV) には、身体的、性的、感情的、言葉による、または経済的な虐待が含まれます。DVを受けている場合まずは安全の確保が最優先です。 緊急時は000 相談窓口:1800RESPECT(1800 737 737) 24時間対応で、専門のカウンセラーが対応します。 Bonnie Support Services 日本人ソーシャルワーカー・アコモデーションの手配・別居の際の安全確保等に関する相談にのってくれます。 Phone: (02) 9729 0939 / Mobile: 0429 030 573 Email: hirokok@bssl.org.au Website: www.bonnie.org.au

28 Oct 2025


不動産法

NEW First Home Buyers 5% Deposit Scheme Goes Live!

2025年10月1日より新しいFirst Home Buyer向けの新制度がスタートしました! - 頭金5%でLMI不要(Single Parentの場合は頭金2%でLMI不要) - 所得制限なし - 2025/26年度からは利用枠の制限なし 詳細は新しい「First Home Buyers」ウェブサイトをご確認ください: https://firsthomebuyers.gov.au/ この制度を利用することで、住宅ローン保険(LMI)費用として 15,000ドルから20,000ドル を節約できます。 オーストラリア国民か永住権保持者のみ申請可 決済日(もしくは、居住許可が下りた日から6か月以内に)から6か月以内に購入した物件に入居し、ローンの返済が終わるまで同物件に居住し続けること 中古物件、新築、House & Land Package、Off the Planの物件に適用 週により購入物件の上限が設けられています。(例:NSW Capital City & Reginal Centres: $1.5MIL / その他の地域800k, VIC Capital City & Regional Centers: $950k / その他の地域:$650k, QLD Capital City & Regional Centres: $1MIL / その他の地域:$600k) 条件を満たしていればRefinance可) 詳しくは以下のリンクをご参照ください。 Australian Government 5% Deposit Scheme Information Guide.pdf https://firsthomebuyers.gov.au/australian-government-5-percent-deposit-scheme

02 Oct 2025


紛争解決・訴訟, 税法, 商取引及び会社法

小規模事業者再編制度(Small Business Restructuring)

小規模事業者再編制度(Small Business Restructuring) 2021年に導入された小規模事業者再編制度(Small Business Restructuring=SBR)は、オーストラリア全土の小規模事業者、特に近年の経済低迷の影響を受けた企業にとって、会社清算に代わる重要な選択肢となっています。 特にファミリービジネスを含む小規模企業の事業継続を支援するために設計されたSBRは、企業が営業を続けながら、法的に財務状況をリセットできる仕組みです。 事業継続のための法的手段 SBRは、債務超過に直面した小規模事業者が、従来の清算手続きによる会社閉鎖を回避できるように設けられました。 SBRを利用することで、該当企業は債権者に対して再編計画を提案し、会社法(Corporations Act)に基づき、債務の削減や免除を求めることが可能です。 このプロセスにより、企業は営業を継続しながら、法的に整理された形で財務問題に対処できます。 利用資格と手続き SBRを利用するには、総債務額が100万ドル以下であり、未払いの従業員賃金や年金(superannuation)は含まれていないことが条件になります。 SBRの実行には債権者の承認が必要です。債権者の投票権は貸している金額によって決まり、債務全体の51%以上を持つ債権者が最終決定権を持つことになります。 利用増加とその影響 ASICの最新データによると、SBRの申請件数は大幅に増加しており、昨年は約3,000件が債権者に提示されました。 この増加は、SBRの認知度向上と、多くの小規模事業者が厳しい経営環境に直面していることを反映しています。 特に飲食業界は大きな打撃を受けており、同業界の10社に1社が昨年清算されました。 多くの再編計画では、債務額が20万〜40万ドルの範囲で、債務の最大80%の免除を債権者に求めています。 SBRの約80%が承認されているのも注目すべき点です。 オーストラリア税務局(ATO)の役割 SBR案件の93%に関与しているオーストラリア税務局(ATO)は、最大の債権者(GST) として重要な役割を果たしています。 ATOはこれまでに約2,500件のSBR計画を承認しており、2024-25会計年度3月時点では、ATOが債権者となった再編計画の約80%に賛成票を投じています。 宿泊業および飲食業(カフェ、レストラン、テイクアウトサービスを含む)は、SBR全体の22%を占めています。 ATOの関与が大きいため、再編計画の可否はほとんどの場合、ATOの判断に左右されます。 ATOが再編計画に賛成すれば、他の小口債権者もその計画に組み込まれる形となります。 制度のセーフガードと除外規定 制度の健全性を保つため、過去7年以内に清算や再編に関与した取締役がいる企業は、SBRの申請資格がありません。

26 Sep 2025


紛争解決・訴訟, 税法

賃金未払いが刑事犯罪に -賃金未払いに関する新しい法律について

賃金未払いが刑事犯罪に -賃金未払いに関する新しい法律について • 新法により、2025年1月1日より、賃金の意図的な未払いは刑事犯罪となりました。 • 企業が安心して事業を続けるために、正確な給与計算、定期監査、早期是正の手続きを行う必要があります。 • 当事務所では、未払い防止体制の整備や監査のサポート、是正手続きのご相談に対応しております。 1. 新しい法律の概要 2025年1月1日より、従業員への賃金や手当の「意図的な未払い」は、オーストラリアのFair Work Legislation Amendment (Closing Loopholes) Act 2023に基づく刑事犯罪となりました。 • 単なる計算ミスや事務的な誤りではなく、知りながら支払わない行為が対象となります。 • 違反が認められると、企業や経営者は高額な罰金や懲役刑を受ける可能性があります。 2. 「意図的な未払い」とは 次のような場合が「意図的」と判断される可能性があります。 • 法定最低賃金や残業代を認識していながら支払わない • 就業規則や契約に定められた義務を故意に無視する • 監査や指摘を受けても是正せず、未払いを続ける 3. 罰則について • 個人(経営者・役員等):最長10年の懲役、または最大165万豪ドルの罰金(未払い額の3倍が上限を超える場合はそちらを適用) • 企業:最大825万豪ドルの罰金、または未払い額の複数倍 4. 企業が取るべき対応(リスク回避のポイント) 1. 給与計算の正確性を確保 o 最新の法律に対応した給与システムを利用 o ダブルチェック体制で計算ミスを防止 2. 定期的な内部監査・専門家レビュー o 年1回以上のチェックを実施 o 必要に応じて労務専門家や弁護士に相談 3. 未払いが発覚した場合の対応 o 速やかに遡及払いを行い是正する o 自発的にフェアワーク・オンブズマンへ報告・協力することで、刑事処分を回避できる可能性あり 4. 小規模事業者(従業員15名未満)の場合 o 「自主的小規模事業者賃金コンプライアンス規範」に従い修正すれば、意図的でないことを示せる可能性が高い 5. 従業員・管理職への教育 o 定期研修を実施し、最新の労働法やリスクについて周知徹底

25 Sep 2025


当事務所関連

H&H法律事務所、Mate FCとスポンサー契約締結

H&H Lawyersは、この度 MATE FC のスポンサーになりました オーストラリアで暮らす日本人コミュニティの皆さまをサポートすることは、私たちにとって大切な使命です。Mate FCとのパートナーシップを通じて、フィールドの内外でさらに強い絆を築いていきたいと思います。今シーズンもMate FCを全力で応援します!

09 Sep 2025