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礼子・レノルズ

礼子・レノルズ

弁護士

早稲田大学文学部に1年在籍後、渡米。カリフォルニア、グレンデール大学の音楽(ピアノ)科を卒業し、2001年に来豪。2004年、ニュー・イングランド大学にて法学士号(優等学位)を取得後弁護士になる。 建築分野・不動産取引を専門とする法律事務所及び不動産業界にて物件の賃貸借、管理等の経験を積み、当事務所に入所。不動産取引、家庭法、相続法に関心を持つ。 プライベートではピアノ、ブッシュウォーキング、漫才鑑賞を楽しむ。

取り扱い分野

Qualifications

  • 弁護士資格 (NSW州最高裁判所)

Professional membership / Board positions

  • Member of Law Society of NSW

コラム

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当事務所関連

昇進人事のお知らせ

H & H Lawyersは、ティンロク・シェ弁護士、礼子・レイノルズ弁護士、ジーニー・リー弁護士の昇進人事を決定いたしましたことをお知らせいたします。

01 Jul 2021


家族法

オーストラリアの相続 ― 別居後受け取った遺産

別居後受け取った遺産-離婚における財産分与の対象になるか 別居後に受け取った遺産は、離婚の際の財産分与の対象になる当事者の婚姻財産の一部として考慮されるべきではないと考えるのが自然かもしれませんが、裁判所には、当事者の全財産(婚姻前、婚姻中、別居後に取得した資産全て)、及び、各当事者の金銭的貢献度・非金銭的貢献度を全て考慮した上で、以下のどちらかの手段において財産分与に関する判決を下す裁量が与えられています。 別居後受け取った資産を他の婚姻財産とは別に扱う。 別居後に受け取った資産を、財産分与の対象となる婚姻財産の一部として扱う。 上記の点を扱ったHigh Court とFamily Courtの最近の判例をみてみましょう。 Singerson & Joans [2015] 別居後夫は$3,000,000.00の遺産を受け取ったが、妻は婚姻中常に、家事・子育ての分野において、及び、一家の稼ぎ手としても、夫以上の貢献をしてきた。家庭裁判所は、別居した日から裁判までの4年間だけでなく、15年間の婚姻関係における全貢献、夫の初期の貢献と別居後の遺産も考慮に入れ、夫が受け取った遺産を含めた婚姻財産の総額から、妻の取り分を47.5%とした。家庭裁判所は、このような別居後の「棚ぼた」をどう扱うべきかに関しは、一定のガイドラインを提示することを避け、裁判所の裁量によりケースバイケースで判決を下すべきであるという見解を示した。 Holland & Holland [2017] ティーネージャーの子供を2人もつ当事者は、2007年に別居し2012年に離婚した。別居後3年半後に夫は、死去した兄弟から$715,000.00の遺産を受け取った。この遺産は婚姻財産の一部には含まれず、夫の「財力」の一部とみなされた。控訴裁判において家庭裁判所は、「原則として一財産が財産分与の過程において完全に考慮から外されるということはあってはならないが、場合によっては、これに対する各当事者の権利、貢献度により、その他の婚姻財産とは別に扱うのが適切な場合もある。」とした。 Calvin v McTier [2017] 1人の子を持つ当事者は、結婚8年間後に別居した。別居後4年後に夫は、死去した父から$430,000.00の 遺産を受け取った。この遺産は全婚姻財産、$1,340,000.00の32パーセントを占めた。夫は、この遺産は婚姻関係には全く関係ないので、婚姻財産の一部とされるべきではないと主張したが、裁判所はこの遺産を婚姻財産の一部に含めるとし、これに対し夫が受け取った遺産の貢献度を認め、財産分与の割合を夫75%、妻25%とした。更に夫と妻の所得の差を考慮して10%を妻の取り分に追加し、夫65%、妻35%とする判決を下した。 以上の判例から、財産分与に関する判決を下す前に、まず婚姻財産の全てを明確にしなければならないこと、また、各資産がどのように扱うかわれるかは、ケースバイケースで裁判所の裁量により判決が下されることが分かります。別居後受け取った資産に関する裁判所のアプローチは各ケースの事実関係により異なり、裁判所の裁量により場合によっては、その他の婚姻財産とは別に扱われる可能性があります。

29 Nov 2018


家族法

オーストラリアにおける離婚の際の財産分与

離婚の際の財産分与 – マイホームの購入に親からの経済的援助を受けた場合 結婚後マイホームの購入する際、親からの資金援助を受けて購入する場合が多々あります。そのような状況において婚姻関係が決裂した場合、裁判所は親から受け取った資金を財産分与の際どうのように扱うのでしょうか。 一定の条件に基づいて返金が義務付けられていることを明記するローン同意書、担保証書、もしくはローンであることを確認した当事者間の話し合いの記録等なんらかの証拠がある場合、親から受けとった資金はローンであるとみなされます。受け取った資金が親からのギフトであった場合は返済の義務が伴いませんので、婚姻期間が長期にわたる場合は特に共有財産一部とみなされてしまう可能性が大です。親からの資金援助がローンであったかギフトであったかを考慮に入れ、当事者の共有資産の総額を算出しそれぞれの持ち分を決定する際、裁判所は、Family Law Actに明記されている様々な条件を考慮に入れます。 親からの資金援助がローンであったかギフトであったか明確でないケースが多々あり、離婚の際大問題に発展するケースが多々あります。例えば、親から$400,000の資金援助を受け$800,000のマイホームを購入し、すでにローンの支払が終わっている場合、この$400,000がローンであったかギフトであったかは共有財産の総額を定めるのに重要なポイントとなります。これは、その他の資産がなく資金援助の額が多きければ大きいほど重要な争点になっていきます。 子供に資金援助をする際は、弁護士をその時点で雇い、資金援助の意図を明確にしておくことです。これを怠ると子供が離婚することになった場合、離婚裁判に利害関係者として連名され裁判に出廷しなければならなくなったり、供述書を提出しなければならなくなり、長期間における重度のストレスを抱えることになります。更に裁判となると多額な弁護士費用がかかります。 離婚裁判の際弁護士費用に多額な資金を費やさないためには、財産分与に関する問題で事が裁判に進展ないよう、早期和解に向けて、初期段階において相手側と適切な交渉を開始することが重要です。

15 Oct 2018


家族法

財産分与における資産評価

離婚における婚姻財産分与に関する裁判において、まず初期のステップとして、当事者が所有する資産を明確にし、その評価を得る必要があります。財産分与に関する問題が、当事者間の話し合いで解決できず、裁判に発展した場合、裁判所は別居が始まった時点での資産評価ではなく、裁判の日における資産評価を基に判決を下します。これは、別居が始まった日から裁判の日までにかなりの年月が経っている可能性があり、別居が開始された日の資産評価を基に判決を下すと正当な判決にならない可能性があるからです。 当事者の一人が別居後も共有財産である家に住み続け、どちらかがローンの支払いをし続けているケースが多々あります。不動産の価値は通常上昇傾向にあり、又、ローンを支払いに応じて純資産額が増加します。裁判所は別居後に当事者それぞれが婚姻財産のメインテナンス、改築等、価値の向上にどのような貢献をしたかを考慮に入れて判決を出します。この点、別居後ローンを支払い続け、財産の価値の向上に努めてきた側が、財産分与の最終判決において、その貢献を正当に反映した判決を得るためには、その詳細を明確に記録として残し、裁判の際にそれを証拠として提出できるようにしておく必要があります。又、別居後に婚姻財産の価値の向上に貢献した場合、その度合い・重要性も裁判において考慮に入れてもらえるよう、過去における資産評価も入手しておくべきです。

20 Sep 2018


家族法

ソーシャルメディア上のコミュニケーション・コメント・ポスト‐離婚裁判の際に証拠として使用されるケース

離婚は人生の中で最も苦悩をもたらす出来事の一つです。そのため、離婚争議中に感情的になり、相手に対するフラストレーション・怒りをFacebook等のソーシャルメディア上で解消する行為に出てしまい、後に後悔する結果になるケースが残念ながら多々あります。 近年では離婚裁判、特に親権が関わるケースにおいて、Instagram、Facebook、Twitter等のソーシャルメディアにポストされた内容が、親としての人格を問われる事実を証明する証拠として使用されるケースが増えています。ソーシャルメディアが証拠として使用され、裁判の結果にネガティブな影響を与えないよう、以下の点、注意する必要があります。 相手に対する礼儀を欠いたコメント、相手を軽蔑するようなコメントは親としての責任に欠ける態度として受け取られるので、控えること。(Email / SMSにおいても控えること。) 飲み会で泥酔した際に起こした愚行等、人格を疑われるような行為、自分の評判を傷つける可能性のあるような状況において、自分の写真を他人にとられないよう気を付けること。 泥酔した際に起こした愚行等、親としての当事者の人格にネガティブなイメージを与える可能性のあるポストはしないこと。 一度ポストしてしまうと、後で削除しても既にそのポストのスクリーンショットを取られてしまっている可能性があるので、要注意。ポストする前に再度よくその内容がどう影響するか考えること。感情的になっているときにポストしないこと。 自分がポストしたコメントを子供に読まれた場合、それが子供に同のような影響を与えるかを常に考え、悪影響を与えそうなポストはしないこと。 日常的な出来事を過剰にシェアーしないこと。 家庭裁判に関わっていることをソーシャルメディア上で開示しないこと。家庭法第121条違反とみなされる可能性あり。 以下は上記に関する判例です。 父親が母親との合意なしに子供達を連れ去ったあとに、母親のもとに残った10歳の息子に、「おまえを無能な母親から引き離したい」 というSMSをおくった。数年後同父親はFacebookにも、自分が子供を誘拐したことに関する裁判が始まることをWhat a ***** joke! というコメントと共にポストし、他にも母親の名誉を傷つける様々なコメントをポストした。これらは後の裁判において、子供達がFacebookにアクセスしこれらコメントを読む可能性があること、及び、このようなコメントが子供たちに与える影響を父親が全く理解していないことを証明することに使用された。 父親が、「自分の娘に会いに行っただけで刑務所行き。最悪な家庭裁判のシステム!」というコメントを含め裁判に関するさまざまな批判をFacebookにポストした。これが後に親としての責任感に欠ける父親の態度を証明する証拠として使用された。 子供たちが、母親との監視付き面会中に写真をとられるのを嫌がり、動揺していたにもかかわらず、母親は写真をとりそれをFacebookにのせた。後の裁判において、これが子供たちの置かれている状況を母親が全く理解していないことの証拠として使用され、他のFacebookのポストも母親が薬物を使用していることの証明として使用された。

08 Aug 2018


不動産法

レノルズ・礼子不動産法情報:NSW Government changes to Stamp Duty

On 1 June 2017, the NSW Government announced various changes to Stamp Duty to improve housing affordability. The effect of the changes is that for any contracts dated on or after 1 July 2017: No Stamp Duty is payable on all homes up to $650,000; Concessions on Stamp Duty apply to all homes up to $800,000; $10,000 grant is available for builders of new homes up to $750,000 and purchasers of new homes up to $600,000. Insurance Duty on Lender’s Mortgage Insurance is no longer payable; Foreign investors are to pay higher duties and land taxes; Investors are no longer allowed to defer paying stamp duty on off-the-plan purchases (Purchasers who are buying a home as a primary place of residence off-the-plan, will be still entitled to 12-month delay in the payment of stamp duty).

01 Jun 2017