Q:コロナウイルスにより、外出禁止、営業停止、ソーシャルディスタンスの遵守といった法令が出され、違反者には罰金が科せられると聞きました。でも、外出している人や営業している店は多いですし、ソーシャルディスタンスを守っていない人も多いように思います。本当に罰せられるのでしょうか?
A:2020年3月31日付で、Public Health (COVID-19 Restrictions on Gathering and Movement) Order 2020という法令が発布されました。コロナウィルスの拡散を防ぐために作られた法令なのですが、内容はやや複雑でわかりにくく、しばしば批判の対象になっているようです。違反者はには「最大6か月の懲役、或いは最大$11,000の罰金、あるいはその両方」が科せられると定められています。
この法令は主に“移動に関して”、“特定の場所の閉鎖”、“集会に関して”、 “土地・建物・施設のオーナー及び占有者の義務”という4つの部分から成っています。
“移動に関して”は、簡単に言うと、「正当な理由なく、外出してはならない」という命令です。同法令のSchedule 1に“正当な理由”が羅列されていますので、見てみてください。例えば買い物や通勤・通学、運動、医療上の理由は“正当な理由”に該当するとされています。
“特定の場所の閉鎖”では、閉鎖されなければいけない場所が示されています。例えば酒場、飲食店(イートイン)、エンターテイメント・アミューズメント・レクリエーション施設、ネイル・ビューティーサロン、タトゥーパーラー、マッサージ店、等々。
“集会に関して”は、「公的な場所において、2人を超える人数が集まってはならない」と示されています。但し、同法令6(2)項で例外も多く設けられています。例えば仕事、看護、法律上の必要がある場合は集まっても良いことになっています。更にSchedule 2で示されている“必要不可欠な集まり”(例:交通機関、病院、刑務所、裁判所、小売店、オフィス、学校)も許可されています。
“土地・建物・施設のオーナー及び占有者の義務”として「屋外であれば500人以上、屋内であれば100人以上を同時に集まらせてはならない」、また、「1人当たり4平米のスペースが確保されなければならない」とされています。この義務は小売店にも適用されます。小売店の入口に「一度に5名まで入店可」などと書かれているのは、このためです。但し住居や、Schedule 2に示された“必要不可欠な集まり”については、これらの義務を負わないとされています。
この法令は2020年の6月29日まで有効とされていますが、政府の判断によってはそれ以前に失効することも、逆に延長される事もあります。いずれにせよ、一日も早く、安心して過ごせる日々が戻ってくることを祈るばかりです。