ジェーン・ナー

ジェーン・ナー

弁護士

H & H Lawyersに入所する前は、遺言書及び遺産相続のプランニングを専門とする法律事務所に勤務しており、遺言書、遺産相続のプランニング、遺言書の検認・相続、遺留分請求手続き、後見人としての委任状作成などについて数多くの経験を積んでいる。 2015年にシドニー大学でJDを取得する前は、Ernst&Youngで監査人や上級会計士として勤務していた。また、Prudential Australiaの不動産信託部門の不動産会計担当者として、その後EMC IPストレージおよびセキュリティビジネスの財務会計担当者として、キャリアを積んで来た。 Jayneは、特にスーパーアニュエーションに関する豊かな経験と知識を有している。

Expertise

Qualifications

  • 弁護士資格 (NSW州最高裁判所)

Insights

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家族法, 遺言書

K-POPスター、クハラさんと遺言状の大切さ。

2019年11月末K-POPスターのクハラさん(享年28歳)の急な悲報は多くの人に驚きを与えたと思います。しかし、彼女の死後さらに心の痛む出来事が有りました。それは彼女の幼い時期の不幸が彼女の母親が提起した相続紛争の為明らかになった事です。8歳のクハラさんと2歳年上の兄二人は母親に見捨てられ祖父母の手に育てられました。 クハラさんが28歳で亡くなった時、彼女は独身で配偶者や子供も無かった為彼女の財産は相続法による相続になりました。韓国相続法では、死亡時に有効な遺言がない場合、直系卑属、直系尊属、兄弟、4親等内の傍系血族の順で相続する事を定めています。 クハラさんの場合、遺言状が無かった為、父と母そして兄のみが相続人になりましたが父は彼女の成長に全く寄与して無い事実を理由に相続を放棄したがので彼女の一緒に苦労してきた兄への相続が決まるようになってました。しかし、クハラさんの葬式に突然彼女の母が現れ、葬式の後クハラさんの全ての財産を自分が相続すると主張しクハラさんの母は弁護士を雇い、相続法下で遺産相続の法的手続きに入りました。 幼い子供を捨て扶養義務と責任を果たして無い他人同様の母親が相続しても良いのか社会的公憤が広がりました。しかし、法律的現実と社会的現実の間には大きな隔たりが有ります。母親に法定相続権を認めるのは不合理かもしれないが、現行の韓国の相続法と如く、扶養責任と義務を正しく履行してない母親でも裁判所は故人の母親の相続を認めざるを得ません。 ニューサウスウェールズ州も同様で、2006年の相続法(NSW)では遺言なしで死亡した場合、遺産が分配されます。生存配偶者が最初に継承され、生存配偶者がいない場合は、子供、親、兄弟姉妹、祖父母、父母の兄弟姉妹、父母の兄弟姉妹の子女の順で相続されます。 ニューサウスウェールズ州でもクハラさん事件と似た事件が相次いでいます。そのケースを見でみましょう。 幼い時から暴行禁止命令(AVO)を出る程に父親から暴力を受けていた息子が相当の財産を残し20代後半事故の為死亡しました。扶養義務と責任を果たして無い父親の暴力から逃れるため離婚した母親は独り身で息子を成人させ独立するまでになりました。独身だった息子はまさか20代後半の若い内に亡くなるとは想像もしてない為遺言状の作成を思いもしていませんでした。息子の死後、母親は息子の財産を清算、相続するために、遺産管理人と排他的相続人としての指定を裁判所に申請したが、裁判所が有効な遺言状が無い、相続手続きは法律に定められている事を理由に母親の申請を拒否しました。2006年相続法(NSW)では、故人に生存配偶者や子がいない場合、両親は相続人となり、父親も対等な立場で相続する権利を有すると判決したのです。 有効な遺言状が無い場合、家族関係や背景、状況などの社会的、感情的な要因は相続に影響を及ぼすのではなく相続法が唯一の基準になります。世の中のそれぞれの家族は、独自の物語を持っており、異なる家族関係を形成します。しかし、法律は、少なくとも遺言の相続のために、これらの要因を考慮しません。この世を去った後、自分の財産を処分する方法を決定する唯一の方法は有効な遺言状を作成することです。 多くの人が遺言状の作成は重要だと承知していると思いますが、現実には「目の前の何をすべきか」という優先順位に後回しにされているのが現実です。我々は不確実な時代に生きており、いつ、何が起こるか誰も知りません。今地球規模で大打撃を受けているCOVID – 19パンデミック事態を見るとさらに明確になります。今こそ、自らの人生を見直し、自分の財産をどう精算し相続するかその方法を計画する必要があります。予期せぬ突然の別れで、残った家族が相続手続きや相続財産の為に争ったりすることで家族がバラバラになる事を防ぐためには、法的効力のある遺言書を作成するなど、前向きの準備をする知恵が必要です。私たちH&H Lawyersの豊かな知識や経験の持つ専門弁護士達があなたの力になることを期待しています。

13 May 2020


当事務所関連

H & H Lawyers welcomes Jayne Nah

Jayne brings with her extensive experience in the areas of accounting and economics. She holds a Bachelor of Economics degree from the University of Sydney and worked as an auditor then senior accountant with Ernst & Young (EY). She has also held the positions of Property Accountant and Finance Accountant. After pivoting from her accounting career, Jayne began her legal career at a boutique law firm specialising in Wills and Estate Planning.

26 Jul 2019


税法

退職年金と相続計画

1991年に退職年金制度が導入されて以来、ほとんどのオーストラリア人は資産の一部として年金を保有するようになりました。ほとんどの場合、定年に近づくまでに、退職年金は通常、彼らの居住用の不動産財産以外の最大の資産になるでしょう。 若い世代は、キャリアをスタートしたばかりの頃、自分の為の退職年金や資産を蓄積する機会があまりなかったでしょう。ほとんどの若い人にとって相続とか遺言状などは考慮しないものです。 しかし、退職年金は若い世代を含むすべての年齢層にとって重要です。その理由は、ほとんどの退職年金は生命保険に連動するものです。退職年金に入る時、生命保険にも入る場合が殆んどです。若年成人が死亡した場合、生命保険からの退職年金死亡給付金(Superannuation Death Benefit)が退職年金残高を遥かに超えています。そして、その退職年金死亡給付金は死亡した若年成人が身内の為に残す最大の資産になります。 ほとんどの人は、退職年金死亡給付金は自動的に近親者に支払われると仮定します。しかし、法的拘束力のある受領人指定(Binding Death Benefit Nomination)しないと多くの場合、退職年金管理受託者(Trustee of the superannuation Fund)の退職年金管理会社が死亡給付金の支払いの裁量権を行使します。 1993年退職年金産業法(SIS法)では、退職年金死亡給付金は以下の通り支払うと定めてあります。 現在の配偶者; 故人の子供(現在の配偶者の子供を含む)。 故人との相互依存関係にある人(Interdependency Relationship) 故人の法定代理人(Legal Personal Representative)。 SIS法第10条は、故人との相互依存関係に有る人とは死の直前の期間に相互依存関係が存在する人と述べています。 密接な個人的な関係を持っています。 一緒に暮らしてる同居人。 一方または各々は、他方に財政的支援を提供する事。 一方またはそれぞれが、他方に家庭および個人的なケアを提供している事。 上記に関連して遺言状の作成をしてないまま死亡した18歳の男性に関するSuperannuation Complaints Tribunal, SCT)の実例を見ますと、彼は死亡する3か月前からガールフレンドの実家に住み込み同居し始め週70ドルを払ってきました。故人の死亡時に、故人は退職年金口座に蓄積された貯蓄額はわずか1,537ドルでした。しかし、生命保険のために、故人の退職年金からの死亡給付金は$131,437になってました。故人の退職年金管理基金の管財人は当初、故人の両親に死亡給付金額を支払うことを決定したが、故人のガールフレンドは、彼女が故人との相互関係にあることを示す苦情をSCTに提出しました。 裁判所は、故人の両親に死亡給付金の支払いを与えるという管財人の当初の決定を覆すことを決定し、彼が3ヶ月間一緒に住んでいたガールフレンドに131,437ドルを全額授与しました。 ほとんどの人にとって、これは不公平な決定のように思われるでしょうが、故人が彼の家から離れて住んでいたという事実と、退職年金産業法SIS法によってリストされたカテゴリのいずれかに分類されていないなどを理由に彼の両親は受領が資格が無いと指摘しました。拘束力のある死亡給付金の指名がないことと共に、SCTは、彼らがわずか3ヶ月間1つの屋根の下に住んでいたという事実にもかかわらず、ガールフレンドが故人の死亡時に「相互依存関係」の定義に適合する唯一の人物であることを指摘しました。 故人が彼の親族(この場合は両親)が彼の死亡給付金の受益者になることをもし望んでいたのなら彼は受領者を「法定代理人」を指名する遺言状の作成をしておくべきであります。

13 Jan 2008