Q: 先般、会社の新年会後に社員の一人が帰宅途中、飲酒運転で警察に捕まり、その場で運転免許証は没収されてしまいました。この社員は営業職ですので、車の運転が出来ないと仕事に大きな支障をきたします。飲酒運転で捕まった場合、どんな罰則の対象になるのでしょうか?また、免許証はすぐに返してもらえますか?
A:飲酒運転は重大な犯罪で、有罪が確定してしまうと当然前科も付きます。起訴される内容、罰則は血中アルコール濃度によって下記のように異なってきます。再犯に対してはさらに厳しい罰則が設けられています。
初犯に関する罰則
血中アルコール濃度 |
Low-range 0.005-0.079 |
Mid-range 0.08-0.149 |
High-range 0.15以上 |
罰金通知 |
$603 |
|
|
即時免許停止 |
あり |
あり |
あり |
裁判所が課す罰金の最高額 |
$2200 |
$2200 |
$3300 |
最高刑期 |
なし |
9か月 |
18か月 |
免停期間 |
3-6か月 |
6か月―無期限 |
12か月-無期限 |
自動失格(特定の裁判所命令がない場合に適用される失格期間) |
6か月 |
12か月 |
3年 |
アルコールインターロック命令の対象* |
なし |
あり |
あり |
*インターロック装置とは、自動車、オートバイ、大型車などのイグニッションシステムに連動したアルコール検査装置です。原則的にMid-range以上はこの装置の設置は免れません。
車両を運転する前に、インターロックで呼気検査を行い、装置がアルコールを検知すると、車は発進しません。走行中のランダムな呼気テストもパスしなければなりません。必ず本人に検査を行わせるため、インターロックにはカメラが搭載されており、呼気を測定する様子が撮影されます。
質問者の社員の方がどのRangeで起訴されたか分かりませんが、一般的にLow-rangeの場合は免許証は没収されませんので、恐らく今回はMid-range以上だと思われます。限りなくLow-rangeに近いMid-rangeの場合を除いて、Mid-range、High-rangeで起訴された場合、免許停止は免れないでしょう。初犯であったり、他の交通違反が過去10年間なかった等、情状酌量の余地があれば、Mid-rangeであっても、免停期間を短縮できる可能性はあります。