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ジェーン・ナー

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遺言書

遺言書の作成と注意点

Q: 医者から癌だと言われました。進行性ではないそうで、別にすぐに死ぬような事にはならないようですが、これを機会に遺言書を遺そうと思います。遺言書を作成するにあたり、注意すべき点を教えてください。   A: 遺言に関するオーストラリアの法律は州ごとに違いますので、今回はNSW州のSuccession Act 2006 (NSW) に関連した説明をします。 遺言書の作成に関し、気を付けなければいけない点は多くあります。まず、基本的な事柄ですが、私の経験からして、遺産を家族の方に公平に分けるような場合(例えば、被相続人が他界した場合には遺産は全て被相続人の配偶者に行き、その時点で配偶者が既に他界している場合には、子供たちに平等に相続される、というような場合)には、後に相続人間で争いがおこる可能性が少ないと判断できます。その場合の遺言書の作成に関しては、比較的単純な遺言内容でも問題ないと思います。但し、ある相続人だけを優遇したいような場合には、特別な配慮が必要になってきます。   尚、遺産は遺言書通りに分配されるかといいますと、必ずしもそうではありません。もし、痴呆症や他の精神疾患等の理由により遺言者の法的遺言能力が無いと判断される場合や、遺言者が遺言書作成にあたり不当な影響を受けたと判断されるような場合などは、遺言書自体が無効となってしまいます。また、配偶者や子供等の相続権利は遺言書の内容に関わらず、その状況により、ある程度は法律により守られています。    遺言書は、後々の争いを避けるため、法で定められた形式及び署名方法を用いるのが最も望ましいです。即ち、「遺言は“書面”で作成された上で、遺言者の署名と、2名以上の証人が署名すべき」ということです。しかし、この形式的条件を満たさない遺言であっても、裁判所はそうした遺言の有効性を認める事があります。例えば、iPhoneのアプリで書かれた遺言書が有効と判断されたケースや、ビデオ録画した遺言をDVDに記録保存したものが有効とされたケースなどがあります。但し、上述の形式的条件を満たさない遺言の有効性を裁判所に認めてもらうためには、より多くの費用と時間がかかるため、やはり残された人たちの事を考えれば、一般的な形式通りに遺言書を作成すべきです。   また、資産がオーストラリア国内だけでなく日本にも存在するような場合には、私の知る限り、日本の法律により、オーストラリアで有効な遺言書も日本で認められる筈ですが、やはり手続きが煩雑となる事が予想されますので、オーストラリアとは別に、日本でも遺言書を作成すべきです。但し、二つの遺言書に矛盾が無いよう、十分留意する必要があります。   最近では、遺言書作成キットも市販されているようですが、やはりあなたの意思が明確に遺言書に反映されるよう、弁護士に相談するのが良いと思います。