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家族法

K-POPスター、クハラさんと遺言状の大切さ。

2019年11月末K-POPスターのクハラさん(享年28歳)の急な悲報は多くの人に驚きを与えたと思います。しかし、彼女の死後さらに心の痛む出来事が有りました。それは彼女の幼い時期の不幸が彼女の母親が提起した相続紛争の為明らかになった事です。8歳のクハラさんと2歳年上の兄二人は母親に見捨てられ祖父母の手に育てられました。 クハラさんが28歳で亡くなった時、彼女は独身で配偶者や子供も無かった為彼女の財産は相続法による相続になりました。韓国相続法では、死亡時に有効な遺言がない場合、直系卑属、直系尊属、兄弟、4親等内の傍系血族の順で相続する事を定めています。 クハラさんの場合、遺言状が無かった為、父と母そして兄のみが相続人になりましたが父は彼女の成長に全く寄与して無い事実を理由に相続を放棄したがので彼女の一緒に苦労してきた兄への相続が決まるようになってました。しかし、クハラさんの葬式に突然彼女の母が現れ、葬式の後クハラさんの全ての財産を自分が相続すると主張しクハラさんの母は弁護士を雇い、相続法下で遺産相続の法的手続きに入りました。 幼い子供を捨て扶養義務と責任を果たして無い他人同様の母親が相続しても良いのか社会的公憤が広がりました。しかし、法律的現実と社会的現実の間には大きな隔たりが有ります。母親に法定相続権を認めるのは不合理かもしれないが、現行の韓国の相続法と如く、扶養責任と義務を正しく履行してない母親でも裁判所は故人の母親の相続を認めざるを得ません。 ニューサウスウェールズ州も同様で、2006年の相続法(NSW)では遺言なしで死亡した場合、遺産が分配されます。生存配偶者が最初に継承され、生存配偶者がいない場合は、子供、親、兄弟姉妹、祖父母、父母の兄弟姉妹、父母の兄弟姉妹の子女の順で相続されます。 ニューサウスウェールズ州でもクハラさん事件と似た事件が相次いでいます。そのケースを見でみましょう。 幼い時から暴行禁止命令(AVO)を出る程に父親から暴力を受けていた息子が相当の財産を残し20代後半事故の為死亡しました。扶養義務と責任を果たして無い父親の暴力から逃れるため離婚した母親は独り身で息子を成人させ独立するまでになりました。独身だった息子はまさか20代後半の若い内に亡くなるとは想像もしてない為遺言状の作成を思いもしていませんでした。息子の死後、母親は息子の財産を清算、相続するために、遺産管理人と排他的相続人としての指定を裁判所に申請したが、裁判所が有効な遺言状が無い、相続手続きは法律に定められている事を理由に母親の申請を拒否しました。2006年相続法(NSW)では、故人に生存配偶者や子がいない場合、両親は相続人となり、父親も対等な立場で相続する権利を有すると判決したのです。 有効な遺言状が無い場合、家族関係や背景、状況などの社会的、感情的な要因は相続に影響を及ぼすのではなく相続法が唯一の基準になります。世の中のそれぞれの家族は、独自の物語を持っており、異なる家族関係を形成します。しかし、法律は、少なくとも遺言の相続のために、これらの要因を考慮しません。この世を去った後、自分の財産を処分する方法を決定する唯一の方法は有効な遺言状を作成することです。 多くの人が遺言状の作成は重要だと承知していると思いますが、現実には「目の前の何をすべきか」という優先順位に後回しにされているのが現実です。我々は不確実な時代に生きており、いつ、何が起こるか誰も知りません。今地球規模で大打撃を受けているCOVID – 19パンデミック事態を見るとさらに明確になります。今こそ、自らの人生を見直し、自分の財産をどう精算し相続するかその方法を計画する必要があります。予期せぬ突然の別れで、残った家族が相続手続きや相続財産の為に争ったりすることで家族がバラバラになる事を防ぐためには、法的効力のある遺言書を作成するなど、前向きの準備をする知恵が必要です。私たちH&H Lawyersの豊かな知識や経験の持つ専門弁護士達があなたの力になることを期待しています。


家族法

別居中の相続と婚姻財産の分配

Q:オーストラリアに居住して20年近くになります。夫と別居して5年になり、連絡もほとんど取っていません。もう、夫婦としての関係は破綻したと思っており、離婚と婚姻財産分配の手続きを始めようかどうか悩んでいたところ、先日、夫から「末期の癌が見つかって、医者から余命1か月だと宣告された」との知らせがありました。夫の遺言書の内容は知らされていませんが、私に全てを遺すような遺言書を書いているとは思えません。もし彼が亡くなってしまった場合、私の婚姻財産に対する権利はどうなるのでしょうか?また、私にも遺産を受け取る権利はあるのでしょうか? A:オーストラリアにおける離婚及び婚姻財産の分配については、Family Law Actという法律が適用されます。同法第79(8)条により、婚姻財産に関する裁判が開始されていれば、どちらかがその途中で死亡しても、遺言執行人または遺産管理人を故人の代理人として裁判を継続することができます。重要なのは、訴訟は配偶者が存命中に開始されなければいけないということです。もしご主人が亡くなる前に裁判が開始されていなければ、配偶者の婚姻財産分配の請求権は消滅していまいます。従って、もしもあなたが婚姻財産分配という方法を選択するのであれば、早急に訴訟を始める必要があります。 もしご主人が亡くなる前に婚姻財産分配の裁判が始められなかった場合には、あなたの権利は、遺産の相続人としての権利となってしまいます。この点、もしご主人があなたに財産を全く遺さない、または不十分な遺産だけを遺すような遺言書を書いたとしても、配偶者であるあなたには、Family Provision(日本の遺留分請求に似た制度)を求める権利があり、遺産の一部を取得できる可能性はあります。Family Provision上、あなたにはどのくらいの権利があるのか、または無いのかは、裁判所があなたの状況等、遺産に関する様々なことがらを考慮し、自由裁量により判断します。特に重要となるのは、あなたがご主人の扶養家族として自身の生活をご主人に頼ってきたかどうかという点です。 これに対し、婚姻財産分配を求めるという方法では、家庭裁判所は主に「分配対象となる婚姻財産を取得するために、夫婦それぞれがどれだけ貢献したか」という、過去の婚姻期間中の状況の分析に重きをおいて、財産の分配額の判断をします。ちなみに、専業主婦による子育てや家事等の家庭への貢献も当然考慮されます。